ぽんしゅふのブログ

おうちでゆる〜く日本酒をたのしみたい、新潟在住お酒大好き夫婦の主に家呑みの記録

地元の人間から見た普通酒の存在意義とは?

 

ぽんしゅふです。

 

先日(と言ってもずいぶん前のことですが)某日本酒インスタグラマーさんのインスタライブを見て、改めて普通酒についていろいろ考えさせられました。

そこで、今回は私の地元の場合を元に普通酒の存在意義について思っていた事をちょっと書いてみたいと思います。

 

 


じいちゃんの英才教育

 

普通酒って飲みますか?

結構いるみたいですよね、普通酒飲まない方。

オジサンの飲む安い酒だ、みたいにあんまりいいイメージのない方もいらっしゃるのでは?と思います。

確かに今、造りや原料にこだわった美味しいお酒が沢山ある中で、わざわざ飲まなくてもいいかもしれませんが…


私は普通酒好きです!

むしろ積極的に飲みたい派です。


私がこうなったのは多分、祖父がおいしそうに飲んでいた日本酒がほぼ普通酒だった、っていうのが大きいと思います。


子どもの頃の私にとって日本酒とは、夏でも冬でも台所の隅に常温で置いてあって、そこからコップに注いで飲む祖父のお酒。

近所の人や親類からの貰い物か、自転車で近くの酒屋さんに買いに行くものでした。

 

そのお酒で晩酌中の祖父に「じいちゃんおいしい?」って聞くと、「いや~うんめぇ!こんげうんめぇもん他にねぇなぁ~」ってにこにこ笑ってたので、日本酒ってすごく美味しいものなんだな、と思っていました。


釣りと山遊びが好きな祖父は、春は山菜、秋はきのこを採ってきてはそれを肴に本当に美味しそうに晩酌していたんです。

夏は裏の川で釣った鮎を炭火で焼いて、骨酒風にしてみたり。

子どもの頃は普通だと思っていたけど、天然物で採れたてでって贅沢だな〜、と大人になって思います。

 

かと思えばカレーやら焼きそばやら、子どもが好きそうなメニューでもふつうに同じお酒飲んでたんだよなぁ…


ちょっといい季節の食材にも、いつもの晩ごはんにも、何にでも合わせて飲んじゃう。(しかも祖母や母は料理酒が切れた時こっそり料理に使ってた)

私はこういう何気ない日常に寄り添う懐の深いお酒が日本酒なんだと思ってきました。


こうしたじいちゃんの英才教育のおかげで、私は日本酒=普通酒は美味い!と刷り込まれてしまったので、最初から普通酒に悪いイメージがないんです。

 

 


普通酒とは…?

 

ここで言う普通酒とは、地元の酒蔵の普通酒のことです。

地元の村上では、〆張鶴と大洋盛が2大ブランドです。

どちらも普通酒に対して非常に力を入れている蔵だと思います。


中でも、〆張鶴があると祖父はすごく喜んでいました。

父も普段はビール派でしたが、日本酒も好きな人なので、〆張を飲むと「やっぱり〆張はいいなぁ〜」って言っていましたね。


なので私の中での普通酒代表は〆張鶴の花、なんです。

 

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1番右が〆張鶴花。この瓶よく実家の神棚に上がってたなぁ。

ちなみに私は自分の結婚式の友人用引き出物に〆張の花と月のセットを選びました♡

 

ただ、〆張の花って今だから分かるんですが…

普通酒の中でも抜群な出来の良さなんです!

 

飲み比べると雪(写真左、〆張の特別本醸造。これもすごく美味しいし大好き)がむしろ物足りなく感じてしまうくらい。

多少は地元びいきもあるかと思いますが、ほんとにほんとに美味しいんですよ。

たぶん、最初に〆張の花飲んだら普通酒にネガティブなイメージ持たないんじゃないかな?

これはもう生まれた環境が恵まれていたと思います。


こんな感じで育ったので…

私が普通酒上等!になったのには、家族と地域性がかなり関係していると思うんですよ。

 

 


私の地元の普通酒事情

 

このブログではちょいちょい書いていますが、私の地元では日本酒って今でも冠婚葬祭の必需品なんです。

お祝いでもお葬式でも、まず一升瓶(2本入りの箱)を持って相手のお家にご挨拶に行きます。

そういう時のお酒は品質とネームバリューから、ほとんど地元の酒蔵さんの普通酒です。


なので冠婚葬祭があると家に大量の日本酒が集まります。

このお酒はその場でお客さんに振る舞ったり、残ったものは晩酌用になるんですが、とにかく大量なので飲むまでに相当な時間が経ってしまったり、のしを替えて他のお家に持っていったりする(地元あるある)ので、長期間の常温放置に耐えられて、かつ美味しく飲めるものでないといけないんですよね。

 

私の地元の父ちゃん達が晩酌に普通酒を飲むのはこうした背景もあってのことで、普通酒って晩酌用としてよりも冠婚葬祭に付き物の生活必需品としての需要の方が大きいんです。


人付き合いを大切にする土地柄で今でもこうしたやりとりが当たり前なため、近しい人への贈答用のお酒である普通酒が高品質で安定供給されてるって、すごく大切な事なんですよ。


こうした生活必需品としてのお酒を真面目に丁寧に造り続けてくれている地元の酒蔵は、もうインフラに等しいと私は思っています。

 

そんな酒蔵さんのことを、地元の人たちはみんな信頼しています。

頑張ってくれてるのがお酒から伝わってくるから、こんな美味い酒を造ってる蔵を支えてるのは自分達だ!と、地元の人たちは誇りを持って買い、贈り合い、飲んでいるんです。


祖父や父、地元のみんなが大好きなお酒。


普通酒は家族と地元のためにあるお酒なんだと思う。


そして、もしかしてこれが本当の意味での地酒なんじゃないのか?と。

 

 

 

いかがでしたか?

 

嗜好品としてではなく必需品のお酒があって、そのお酒を真面目に丁寧に造っている人たちがいる。

私は普通酒の存在意義って、そこなんだと思うんです。


地元の必需品としてのお酒を造る、というところをちゃんと意識している酒蔵さんの普通酒は、本当に美味しい。

そうした酒蔵さんは、その他のお酒も総じて高品質です。


普通酒を飲むことで、その酒蔵さんの地元に対する考え方を知ることができるし、地元の人が酒蔵さんに求めていることも分かると思っていて、私はそれが楽しみであえて普通酒を選んでいるところがあります。

 

まだまだ日本酒が生活必需品な新潟県普通酒はどれもレベルが高いと思っていますが…

県内に限らず全国にこういう酒蔵さんがまだまだたくさんあるんだよなぁ、と思うとたまらないですね〜!


そんな訳で、美味しい普通酒を造っている酒蔵さんは信用できる、というのが私の持論なのです(*´∀`*)

 

 

〆張ではありませんがコレも普通酒です↓

ponshufu.hatenablog.com

 

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